私が妊娠糖尿病にかかったのは36歳、第3子妊娠7か月の時でした。
血糖コントロールのための食事指導入院により、ある程度の知識を得て自宅で食事療法を行いました。
ですが、毎回の食事作りの中で、自分の分だけ糖尿病食を作り続けるのは大変です。
そこで、この記事では、妊娠糖尿病時に食べていたオススメ分食メニュー・お料理のコツをメインにお話します。
- 妊娠糖尿病中に何を食べていいか困っている方
- 妊娠糖尿病でもしっかり食事を作りたい方
- 自分の分・家族の分と作り分けることに疲れている方
また、私が分食を作る中で出来るだけ心がけていたことがあります。
- 家族の分の食事から取り分けて味付けを別にする
- 同じ食材を違う調理法にする
- 糖質の高そうなものだけ食べないようにする
後は、主食の単位を守り、主菜・副菜などは肉・魚・野菜等をバランスよく食べること。
細かいカロリー・単位計算はしていませんが、食事療法のみで血糖コントロールし、妊娠37週で出産を迎えることができました。
どうのように食事療法をすすめたのか、実際に作って食べていた分食メニューとお料理のコツを紹介します。
1.妊娠糖尿病時の分食「オススメの朝食と食材」
朝食は、パン・ごはんどちらも取り入れていました。家族の分も作る必要があり、みんなで食べることができるメニューを考えました。
1-1.パン派の方へおすすめの朝食メニュー
パンは、角切り食パンであれば6枚切りを1枚。
トーストして無糖ヨーグルト・バナナ・きな粉をのせると香ばしくて栄養価も高いです。
出来ればレタスをちぎってノンオイルドレッシングをかけてたっぷり食べましょう。
栄養バランスがそこそこ良い組み合わせになります。
ロールパンが好きな人は2個食べても大丈夫。
でも、マーガリン入りのものは避けておきましょう。
その代わりに、スライスしたゆで卵、プロセスチーズ、レタス(たっぷり)をはさんで食べると結構おなかが膨れますよ。
パンを選ぶ際は、「玄米」「全粒粉」と書かれているものを選ぶと同じカロリーでも血糖値の上がり方がやや緩やかになるので、さらに良いでしょう。
ローソンで販売されている「ブランパン」は、糖質を気にする人向けの商品で、私も時々お世話になっていました。
1-2.パン派の方の注意点
パンの材料である小麦には「グルテン」が含まれています。
便秘が酷い方がパン食を続けると、このグルテンにより便秘がさらに酷くなることがあるそうです。
便秘が辛い時にはパン食をしばらくお休みして、ご飯食にしてみましょう。
ご飯食の際は後述しますが、食物繊維・ミネラルが豊富な雑穀米がオススメですよ。
パン食の際の飲み物ですが、ミルクティやカフェオレは「カフェインレスで無糖」のものを選びましょう。
また、牛乳には乳脂肪が含まれているので、食事の方でヨーグルトやチーズの量を減らしておきましょうね。
1-3.ご飯派の方へおすすめの朝食メニュー
低糖食を心がける際に「ご飯を食べない」という方がいらっしゃいます。
私は妊娠糖尿病中もご飯食べてましたが、単位数を守って食べていたからか、血糖値には大きく影響することはありませんでした。
ただし、血糖値の上がり方が緩やかな「雑穀米」をよく食べていました。
毎回雑穀米を炊くのは面倒なので、多めに炊いたときに50gの小さなおにぎりを作って1回の食事で2個食べていました。
朝食にご飯を取り入れる場合は、朝からおかずをしっかり作りこむのは大変なので、「具だくさんのお味噌汁」をオススメします。
野菜を数種類、キノコ、魚のすり身、半熟卵あたりを数種類組み合わせてみましょう。
具だくさんにすることで、飽きることなく栄養価の高い食事が毎日続けられます。
味噌は乳酸菌も含まれているので、具材の食物繊維とあわせて便秘対策に効果的です。
お味噌汁を作る時間がない方は、納豆に色々混ぜて食べるのもオススメです。うずらの卵、大葉などの薬味、ゴマ、きざみのりなど。
この場合は、野菜が不足がちのため、レタスをちぎってノンオイルドレッシングで食べましょう。
ご飯派の方はデザートが欲しくなるかもしれませんが、フルーツを食べる際は糖質の摂り過ぎにご注意くださいね。
小ぶりなみかんなら1個まで、リンゴなら4分の1個ぐらいを目安にしましょう。
2.妊娠糖尿病分食「オススメの昼食と食材」
私は、妊娠糖尿病発症時はデスクワークメインの事務職に従事しており、毎日お弁当を作っていました。
電子レンジが自由に使えたので、大量ストックしている冷凍雑穀おにぎりや具沢山のスープが大活躍でしたよ。
家族みんなのお弁当を作る必要がありましたが、揚げ物を入れる時は私の分は衣をつけずに焼くのみの調理でした。
妊娠糖尿病中も油分は必須なのですが、揚げ物を食べると1日に必要な油分量をあっという間に超えてしまうので、焼く・蒸す・衣をはがすなどして油分摂取量を減らしましょう。
油分摂取を完全に断つと、肌がカサカサになったり、便が固くなって出づらくなったりとデメリットもあるので注意しましょうね。
2-1.お弁当にオススメのメニュー・食材
- たまごやき(塩・砂糖はひかえめ)
- 鶏むねのソテー(豚ヒレ肉も可)
- サバの竜田揚げ(焼くor衣はがす)
- 鶏のから揚げ(焼くor衣はがす)
- 焼き野菜サラダ
- ちくわのチーズ詰めもしくはキュウリ詰め
- サバ(水煮缶)のカレー煮(汁ごと使い、野菜とカレーパウダーで煮る)
- エビシューマイ(冷凍)
- バターコーン炒め醤油味(バター少な目)
▼忙しい朝のお弁当作りがグッと楽になるフライパンです
3.妊娠糖尿病分食3:おすすめの夕食・食材
朝食・昼食ときましたが、妊娠糖尿病でもちょっと工夫をすればしっかり食べることができるんですよね。
一番頭を悩ませるのが、糖質・カロリーコントロールが大変な夕食です。
何故大変か。
「私は食べられないけど、他の家族はガッツリ食べたいから」
そこで、家族に人気なメニュー「血糖コントロールバージョン」を紹介します。
妊娠中は疲れやすかったり動きが鈍くなったりで大変なのに、完全に違うものを作るのは、さらに疲れが増します。
たった数か月ではありますが、できるだけ長く続けられるよう「私の分は取り分けて味つけ・調理法を変える」よう心がけていました。
3-1.糖質控えめハンバーグ定食
メニュー | 家族 | 私 |
ハンバーグ | 牛・豚合挽 | 鶏むね肉ミンチ |
ポテトサラダ | マヨ和え | マヨなし |
マカロニサラダ | ツナマヨ和え | マヨなしノンオイルドレッシング |
味噌汁 | わかめ | わかめ |
デザート | 好みのもの | 無糖ヨーグルト |
3-2.カレーライスは取り分けで解決
カレーは、出来るだけ脂質を減らすために鶏むね肉を使いました。
カレールウを入れる前に取り分けて、私の分だけ「カレーパウダー」で味付けしてスープカレー風に。
家族全員雑穀米でもいいのですが、やっぱりカレーには白いご飯が好きなようなので、私だけ冷凍ストックの雑穀米を食べていました。
ちなみに、このメニューは1人分でも簡単に作れます。
汁ごとサバ水煮缶と好みの野菜・生トマト・キノコをひと煮立ちさせ、カレーパウダーを入れれば出来上がり。
10分程で完成です。
市販のカレールウよりあっさりしていますが、脂質・糖質・塩分はかなり減らせます。
そして食物繊維は豊富に摂取できます。カレーは本当にオススメです。
メニュー | 家族 | 私 |
カレー(チキンカレー) | 市販のカレールウ | カレーパウダーで味付け |
ライス | 白米 | 雑穀米(冷凍) |
グリーンサラダ | ハム・ゆで卵トッピング | ゆで卵トッピング |
デザート | ヨーグルト+フルーツ | 無糖ヨーグルト+はちみつ少量 |
3-3.ホワイトシチューは豆乳を取り入れる
作る工程はカレーとほぼ同じですが
「家族は市販のルウ・私の分は無調整豆乳+水溶き片栗粉」で完成します。
そんなに手間はかかりません。
妊娠糖尿病時に限らず「豆乳」は優れもの食材で、汁物・鍋の仕上げに入れるだけでコクがぐ~んとアップします。
たとえばグラタンは、生クリーム・牛乳を使わずに「豆乳+味噌」でコクも旨味もある仕上がりになります。
嬉しいのは、家族全員同じものを食べられること。
普段の味噌汁も豆乳をプラスすることで「ミルク煮」のような優しい味わいになります。
具材は野菜・キノコがオススメです。
3-4.和食は比較的何でも取り入れやすい
和食メニューも何かを…と思ったのですが、和食はもともと天ぷらや竜田揚げ・唐揚げといった揚げ物以外は、あまり高カロリーになるものが無いんですよね。
主食・主菜の量・塩分・栄養バランスの偏りに気を付ければ、基本何でも取り入れやすいと思います。
簡単なのは、魚や野菜をフライパン蒸しするものです。
フライパンにクッキングシートを敷き、塩コショウで下味をつけた魚の切り身・好みの野菜・キノコを並べて弱火で焼くだけ。
水も酒もふらずに、野菜から出る水分で蒸します。
味が物足りなければ「ポン酢」をかけるのがオススメです。
魚を脂肪分の少ないお肉に変えても美味しいですよ。
鶏むね肉をそぎ切りにして蒸すのもおすすめ。
フライパンを使うのが面倒な方は、耐熱皿に材料を全部並べてふんわりラップをかぶせてレンチンしましょう。
レンチンだと洗い物も減らせて、更に簡単ですね。
お料理が苦手・作る時間がない方におすすめの「管理栄養士監修の宅配弁当」4.妊娠糖尿病は食と健康を見直すチャンス
妊娠糖尿病体験談の中から、オススメの分食メニューと料理のコツについてお話しました。
細かいところまで気にするならば、食品の「単位」と糖質をしっかり計算して食事をする必要があるのかもしれません。
でも、数か月間毎食やり続けることを考えると、それだけでもう心折れてしまいます。
冒頭でも触れましたが、私は、主食のみある程度単位を守り、主菜・副菜などは肉・魚・野菜等をバランスよく食べることを心がけました。
後は、食べていいカロリーや量をある程度感覚的に覚えたら、「それを5回もしくは6回に分けて食べればオッケー」と少し緩めのスタンスで食事療法をすすめました。
私は、妊婦検査の時のみ血糖検査を行っていたため、「この食事で大丈夫かな」という不安はありました。
念のため食べたものを手帳に書いておき、健診の際に相談したりもしました。
ダメな部分は見直して、またメニューを考え直せばいいんです。
私は妊娠糖尿病をきっかけに「低糖質」「低GI」について考えるきっかけを得て、食を見直すチャンスだと前向きに取り組むことができました。
だって、妊娠糖尿病になった人は、そうでない人に比べて「7倍」糖尿病にかかるリスクが高くなるのですから。
この食生活の改善は、産後にも生きてくること間違いなしです。
皆さんも前向きに、食と健康について考えてみませんか?
最後まで読んで下さりありがとうございました。
▼妊娠糖尿病体験談はコチラもありますので、ぜひ読んでみて下さいね!